言葉を超えたモニュメント：「無言の記念碑」

古代の儀式と現代の機能性が交錯する、ハオボ・ウェイとジンソン・シェによる展示センター

「無言の記念碑」は、中国・貴州省の北西部、標高約2000メートルの高原草地に囲まれた山岳地帯に位置するイ族文化観光センターです。この地は、山々に囲まれた神秘的な高原草地で、古代イ族の伝統的な定住地であり、その文化は山への崇拝と儀式に満ちています。

ハオボ・ウェイとジンソン・シェの設計チームは、この地の精神を再現するため、古代イ族の文化と現代の機能性との間に多層的な連携を築くことを試みました。建物のボリュームは伝統的なイ族の祭壇を模しており、天空との対話を可能にするスカイライトのシステムを通じて、象徴的な意味合いを持つ儀式の場としての雰囲気を創出しています。

このセンターは、地元の観光産業に貢献するとともに、イ族の建築文化の再生と発展を試みています。設計は、コミュニティの儀式構造と祝祭の認識・理解を一体的な作品に組み込み、地元コミュニティの生活様式と集団記憶との絆を築くことを試みています。

また、この建築は、地元の砂岩、コンクリート、ステンドグラスを用いたコンクリートフレームで構築されています。2021年3月に完成し、敷地面積は1565平方メートル、建築面積は2569平方メートル、3階建てとなっています。

しかし、この地はイ族コミュニティにとって神聖な山岳地帯であり、生態系に敏感な地域です。そのため、観光介入と生態バランスの維持、さらにはコミュニティの精神的中心地としての神聖な地位の維持という課題に直面しています。

この設計は、2022年のA'アーキテクチャ、ビルディング、ストラクチャデザイン賞でブロンズを受賞しています。この賞は、芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを取り入れ、高度な技術力と創造力を発揮し、生活の質の向上に寄与し、世界をより良い場所にする優れたデザインに授与されます。